農業で使用する単位
日常生活のあらゆる場面で目にする単位ですが、農業分野では [ha] や [反] といったあまり耳にしないような単位が使われることも多いです。
農業を始めようとしている方の中には単位に関して戸惑いを覚えている人もいるかと思います。
本記事では、農業で使用する単位や単位換算を紹介していきます。
当サイトでは単位を [ ] で括って表記しています。
単位の構成
単位は [ha] (ヘクタール)を例にすると、2つの要素で構成されています(※本記事ではSI単位等の話をしません)
h(ヘクト)の部分は接頭語と呼ばれ、102を表します、a (アール)は1辺の長さが10 [m] の正方形の面積と定義されています。
つまり、[ha] は接頭語 h × 単位 [a] の組み合わせで面積を表しています。
接頭語
接頭語は量の大きさを簡潔に表すために使用され、10の整数乗倍を各々の名称と記号で定義しています。
10-24 ~ 1024 まで定められていますが、本記事では農業で使用する範囲でご紹介します。
名称 | 記号 | 乗数(10n) |
メガ | M | 106 |
キロ | k | 103 |
ヘクト | h | 102 |
デシ | d | 10-1 |
センチ | c | 10-2 |
ミリ | m | 10-3 |
マイクロ | μ | 10-6 |
ナノ | n | 10-9 |
接頭語の使い方は簡単です。
10000 [a] を例に [ha] に換算していきましょう。
10000 [a] = 100 × 102 [a]
102 = h であり、 接頭語は単位の前に記載すると決められているので、
100 × 102 [a] = 100 [ha]
したがって、10000 [a] = 100 [ha] となります。
農業で使用される単位の一覧
農業で使用される単位の中には[℃] や [m] といった日常生活で目にする単位も多いですが、その一方で馴染みがなさそうな単位が多いのも事実です。
そこで、農業で使う馴染みがなさそうな単位を簡単にまとめました。
示す量 | 単位 |
面積 | a |
面積 | 畝 |
面積 | 反 |
面積 | 町 |
面積 | 坪 |
濃度 | ppm |
濃度 | mg/L |
飽和水蒸気量など | g/m3 |
日射量 | MJ/m2 |
日射強度 | W/m2 |
照度 | lx |
EC | mS/cm |
CEC | meq/100g ※ |
硝酸態窒素含有量など | meq/100g |
※[meq/100g] は広く使われている表記ですが、近年では[cmol(+)/kg]が使用され始めています。
また、農業で単位換算が必要となるのは基本的に面積だけになります。換算表は下記になります。
単位 | [m2] への換算値 | [m2] への換算値(概算) |
1 [a] | 100 [m2] | 100 [m2] |
1 [畝] | 99.2 [m2] | 100 [m2] |
1 [反] | 992 [m2] | 1000 [m2] |
1 [坪] | 3.31 [m2] | 3.3 [m2] |
農業でよく用いられる1 [反] を基準にして各単位の関係性をおおよそに示すと、
1 [反] ≒ 10 [a] ≒ 10 [畝] ≒ 1000 [m2] ≒ 300 [坪]
基本はこのおおまかな関係性だけ覚えていれば問題ありません。
まとめ
農業で使用される単位は多いので困惑しがちですが、単位換算は面積以外ほぼしません。
なので、初めのうちは示す量と実際の数値を見ながら、チラチラと単位にも目を向けていけば良いかと思います。
そしてゆくゆくは下記のポイントを押さえて、単位に慣れていきましょう。
・単位は接頭語と単位で構成される
・接頭語は数値を簡単に示すためのもの
・接頭語は単位の前に記載される
・ 1 [反] ≒ 10 [a] ≒ 10 [畝] ≒ 1000 [m2] ≒ 300 [坪]